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2020年9月

台風過ぎ少し気温が下がりここ数日でやっと秋を感じる朝夕です。立秋を過ぎたあたりからずっと日中35度以上が続き9月の前半まで過ごした様な気がします。働く皆さんは勿論のこと、ご家庭の皆さんも相当な疲労感があったと思います。野菜の相場はお盆以降から徐々に落ち着きを取り戻しましたが結構ここまで高値安定と言っていい相場が続いてきました。少しは相場が落ち着いてくれることを祈るばかりです。
DMPH早矢仕社長から紹介された本、「豊田章男」(東洋経済発行 片山修著)を拝読いたしました。章男氏は豊田自動織機の創業者佐吉からの家訓を受け継いでいるのはもちろんです。しかし、トヨタ自動車(以降トヨタ)は世界企業となり勿論豊田家の範疇を越えた企業活動をしています。章男氏はリーマンショック後に社長に就任をします。就任後トヨタの中で不易流行を明示し実行する章男氏に大変な学びをもらいました。その中で流行の部分はトヨタイムズなどの宣伝の部分で露出しているので皆さんも興味を持って見ていただければ感じるものが多いと思います。反面である不易という部分を貫く章男氏に人間性の大きさ高さ深さを感じます。それはトヨタという大企業の中で創業家のプレッシャーを感じながらもTPSと現地現物といういわゆる豊田家の家訓を世界企業となったトヨタに再インストールをさせてゆきます。章男氏が社長に昇格する前にはトヨタはアメリカの三大メーカーを追いつき追い抜き、1000万台以上の新車販売を記録し売上規模が世界一になります。トヨタは世界各国に工場を建設し名実ともに世界一になってゆきます。しかし、急速に拡大したトヨタ社内には残念ながら不易であるTPSや現地現物が日本は勿論世界各国で薄れていくことになります。売上、新車台数が一番の目標となりお客さんの顔が見えなくなっていたのです。そんな中アメリカでレクサスがリコールの対象となりトヨタ社の対応が後手に回り章男氏がアメリカの公聴会に引っ張り出されて「全てのトヨタの車に私の名前が入っている。車が傷つくことは私自身の体に傷つくことと同じです。トヨタの車を買った方に不安を与えたことに対してメーカーとして恥ずかしい」と謝罪をしたというニュースを覚えている人も多いと思います。ある意味で創業以来トヨタが積み上げていた不易が崩れていた証であったのだと思われます。そこから50代の章男社長がTPSと現地現物を地道に積み上げてゆきます。平成の失われた30年間、モノづくりのメーカーまた日本の企業として唯一、トヨタは時価総額をしっかりと伸ばしたのはこの不易である変えてはならないものを全社一丸となって守り続けているからこそのなせる業であると感じました。また、社長を支えていたのがもう一つの顔“モリゾウ”であり、社長を成長させたのがその師であるテストドライバーの成瀬弘氏であったという裏話は大変に興味がありましたがここで記すことが出来ません。
我社は色々な野菜をお客さんに届けることが仕事です。お客さんから注文をいただけることが当たり前となり、毎日の仕事の中で自分中心に仕事をしがちになってしまいます。再度皆さんに考えてもらいたいのが、「鮮度ある野菜をタイムリーに価値ある価格で届ける」ことが当社の理念「幸福を届けます」を実現することです。この考え方は成長させてもなくしてはならない不易の部分です。毎日注文を頂けることは常ではなく、有難いことであると再度胸に毎日を大切に重ねていきたいと思います。

2020年8月

梅雨がやっと明けたと思ったらお盆!今年は大変に長い梅雨でした。そして、各地で酷暑が記録されております。ここに来て信州産のレタス類を中心に高くなっています。野菜はスーパーに買い物に行っても高くて買うものがないんじゃないかと思われます。新型コロナウィルスが日本全国で蔓延しています。1600人という新規感染者が毎日の様にニュースで話題となり、我々のすぐそこにウィルスが来ている様に思えます。本当に注意をしなければなりません。Withコロナの時代は自分で自分の身を守ると共に、周りに広げないということを意識しなければなりません。その対策はマスク・手洗いの励行をし続けることです。
 人々が幸福感を感じる要素として、やりがいのある仕事などをもち、健康であり、関わる人との良き人間関係であり、生きる為に必要なお金があることです。しかし、このコロナショックで健康と共に生きる為に必要なお金が本当に手に入るのかが問題になっています。特に居酒屋を中心とする飲食関係者にとっては切実な問題になっています。6月後半から緊急事態宣言が解除され売上が伸びてきましたが7月中旬からの感染者の拡大で自粛を余儀なくされているために売上は再度激減しています。健康と命を守るということでこの自粛は必要なものですが経済が止まるということは逆に人々の生活の糧を奪うことになります。今までは理論上では分かっているつもりでいましたがロックダウン等を敢行して人の行き来を止めるということは経済を止めることを世界中の人々が実感をしました。このことは経済が命の源泉であるということを感じずにはいられません。人の命を守るということと経済を回すということはある意味で一体になっていることをこのコロナショックから学んでいます。
 日本には創業から100年以上の老舗企業が3万社もあるということです。幾多の災害や戦争そして疫病などにも負けることなく存続続けた企業の共通点は、家訓が存続をしていたということです。家訓を代々の後継者に言い聞かせ伝えてきたということですが、その家訓というのが今でいう経営目的であり経営理念と言われるものだと思われます。現代版の家訓実行者がトヨタ自動車なのではと思います。トヨタ自動車は前身の自動織機からの豊田家の家訓を守り続けているのではと考えます。だからこそ今年度においても、同業他社が相当の赤字決算をしているのにも関わらずトヨタ自動車としては不本意であると思われますが160億円以上の営業利益を四半期決算で計上しています。老舗企業がなぜ生き残っているのか?その家訓には多分ですが利益を上げることの大切さとその利益を溜めておくことの大切さが書かれているのだと思われいます。売上は利益を上げる為に必要な要素でありますが、売上だけ上がっても利益が無くては会社そして雇用を守ることはできません。確実に利益を上げるということ大切にしているのだと考えます。当社創業者石橋勇はいつも言っていました、「お客さんが儲かってこそ当社が儲かる。」儲かるとは確実に利益を上げることです。売上高から仕入高を引き粗利額があり、そこから家賃やガソリン代などの経費を引いた残りが利益です。営業担当が上げた利益を支える皆が最小の経費で日々を運営することで利益が確保できることを改めに皆さんの胸に刻んでください。
当社が100年勝ち残るために!しっかりと利益をあげ続けることが必要です。

2020年7月

梅雨が早く明けて欲しいものです。まずもって九州そして中部地方の水害にて亡くなられた方には心よりお悔やみ申し上げると共に被災された方々にお見舞いを申し上げます。夏になると地球の温暖化を強く感じます。過去には線状降水帯などという言葉はありませんでした。ここ数年梅雨のころになると聞かれるようになり梅雨前線上に経験したことのない雨量が局地的に降るようです。ロシアでの永久凍土が溶け出し重油が川に流れ出した映像は大変ショッキングな映像でした。この後には気温が40度近くなる気温も想像され早期に温暖化に対する取り組みをしなければならいなと感じます。市場の入荷は少なく昨対の110%の相場となっています。安値が続いていたトマトもここにきて2000円となり全般に強い相場となっています。特に馬鈴薯の4500円という価格は異常で、北海道が出るまで高値安定が予測されます。肉じゃがも安易に焚けない価格であり、100ℊ450円だと輸入牛肉が食べられます。
 ここ数週間はマスコミからアフターコロナという言葉が聞かれなくなったように感じます。東京でコロナの感染者が多数出ているせいだと思います。若い人が繁華街に闊歩する人の波をみて国も自治体も経済を止めることもできないのだろうなと感じます。国は30兆円以上の財政を出動させ、東京都もオリンピックに影響するだろう額を今回のコロナ対策で3月から3か月間に使っていると思われます。第2波に向けてアラートを出すということはその保証をしなければならいと思われますが実際にはもう金庫のお金は底をついているのではと想像します。経済を止めるとその時点で生活が立ち行かない方が多く出てくるのも実際なのでしょう。日経新聞もアミューズメントとオンライン業界以外すべての業界が落ち込んでいると発表をしています。経済が成り立っての我々の生活が成り立つというのが原理原則なのでしょう。
 マイナス面ばかりではなく、このコロナは我々にいろいろなプラス面の変化をもたらしています。今までもオンラインはあったのですがそれを活用するには、しきたりが邪魔をしていましたがこの数か月で大きく習慣が変化をしました。ZOOMなどの活用によりわざわざ移動するということがなくコミュニケーションをとれるようになりました。それも10人程度で話をすることもとても容易になりました。複数のメンバーが移動する時間というのは結構なコストでしたがそれが無くなりました。こうしたオンラインを活用すると在宅で仕事をすることも当たり前になり、大きな事務所も必要がなくなり、東京一極集中は緩和されてゆくと言われています。また、在宅により家族との時間が多く取れるようになったとも聞いています。関東圏の通勤時間を考えると子供の顔を見られなかったのも一緒に食事ができるようになった。大切な人との時間を再発見したということを聞きました。まぁ、逆にコロナ離婚という悲しい現実もありますが・・・。お互いが許しあい・認めあい・助けあいをすることがこうした離婚の激増や子供の虐待をなくすことになると思われます。昨今で出歩くことが少なくなったと思われますので再度家族との絆そして大切な方とのつながりを考えてみるのもいいと思います。マイナス面ばかり見るのではなくプラス面を見つけてゆくという生き方がいいのではと感じております!
 コロナを前向きにとらえて、生き方を変えてゆく方ことが必要ですね。

2020年6月

6月に入り各地で夏日を記録しています。ここ数年は春という季節短くなったと感じます。芋玉が高値安定を続けている関係で野菜の平均単価が値上がっています。コロナショックは相当に経済に影響を与えています。業界で言うとスーパーの売上は順調に推移していますが、居酒屋チェーン店の売上はやっと70%程になってきたのかなという感じです。これから資金繰りに窮する会社が出てくるのかもしれません。
 当社は女子ハンドボールトップリーグのチームであるHC名古屋を応援しております。できれば20年シーズンには会社の皆で応援に行きたいと思います。6月2日中日新聞の県民版にチームの高宮(お詫びして敬称略)の記事が載っていました。2年前のシーズン当初でしたが私も観戦をしていてました。高宮が敵陣に走り込みゴール前に差し掛かった時に誰とも接触をしていないのに転んだのです。立ち上がることが出来ずに担架でコート外に出されていました。そして、シーズンを棒に振ったのです。その高宮が当時を振り返った記事を添付しておきますので先ず読んでいただきたいです。高宮は娘の先輩でもあったので大学時代も知っています。レギュラーとして常にコートに立ち活躍をしていました。高宮自身それが当たり前だったのでしょう。今回、私がすごいなと感じたのは、「もっといい練習ができたのかもしれない」という回想です。アスリートとして自分の能力を向上させたいといのは誰しもですが、それを日々の練習によって向上していくのだということを高見は自覚しているのだと思いました。キャプテンとしての責任がある上にチームに対する負い目もあったと思います。練習ができないもどかしさと共に自分を含めてチームを俯瞰してみた時にもっと強くなるための練習を見出していたのだろうと思います。19年シーズンはコロナで中途半端に終わってしまいましたが、かつて一度も勝利をしたことの無いオムロンに勝利をしています。逆境を克服し大きなプラスになるような練習をしたためにこの勝利があったのだと想像します。また、高宮は本気で取組んだ時の挫折や失敗の中には成長の鍵があるとも述べています。コロナショックも一緒だと私は感じています。コロナショックがあるからと環境のせいにして業績が落ちるのは仕方がないという考え方は本気度が足らないと思います。このショックから我々が何かを学び取り、それをプラスに転じる行動が求められます。これから以前とは違う生活スタイルが当たり前になります。食というキーワードにおいても大きな変化が見られると思われます。スーパーでの陳列や販売方法、飲食店におけるサービスや提供方法を消費者目線で我々から提案する必要が出てきます。そこにお客さんとの新たな絆の構築があるのではと思います。方法は変わってもお客さんとのつながりは人と人という不変なものがあると信じています。
HC高宮

2020年4月

暖かな冬の影響だったのでしょうか?例年ですと桜前線が南から北へ上がってくるのですが、今年は東京の開花宣言が最初であり九州が名古屋よりも遅かったというのはとても不思議な現象です。異常な気象にならないことを祈るばかりです。冬種の出荷が少し早まった理由なのか?3月の後半からキャベツ等重量野菜の相場が高くなっております。勿論、自粛の影響で自宅での食事も理由の一つだと思います。
 先ずもって、今月より支給日が変更になりました。この変更により皆さんに資金繰りで問題があれば相談に乗りますので申し出てください。
新型コロナウィルスの影響で4月7日に緊急事態宣言が出されました。中国からはじまったこの感染は世界各国で猛威を振るっています。日本でも同様に感染が広がり医療崩壊となるかもと大変に心配をします。先ずは自分の身は自分で守るということが大切であり、それは周りの方を守るということにつながるのでしょう。
学校も休校となり、スポーツや芸能などの観戦もできない状態が続き経済がどんどん小さくなってゆきます。その中でも我々中央卸売市場は止まることなく仕事ができることはとてもありがたいと思います。また、この市場にウィルスの陽性者がいないことがとてもありがたいし、これからも陽性者を出してはいけないと思います。陽性者が出たらどうなるのという声をよく聞きます。場長の見解としては、最終判断は保健所がするとのことですが基本的にはこの市場を閉鎖するということは極力避けると聞いています。もしも、陽性者が出たとするとその会社の一部の社員は休まざるを得ないと思います。その会社がお客さんに供給ができなければ隣の会社が代わって供給するようにという見解です。いわゆる、市場自体がONETEAMとなって対応してくださいということです。我々の隣の業種だと思うのですが、ホテルや飲食業の仕事が減ってゆく中で市場での仕事がなくならないというのは本当に有難いことです。
我々が行っている仕事は連休が取りづらく朝が早くスピードを求められる為に、辛いと感じることも確かにあります。でも、我々が市場で働きスーパー等小売店や需要者に毎日毎日供給するからこそ市民に安心安全で安定した生鮮品を届けることが出来るのです。卸会社は生産者の代表であり仲卸は消費者の代表です。市場があるからこそ価格は適正に決まり消費者と生産者をつなぐことが出来るのです。沢山の生鮮品をプロが目利きをしているからこそ短時間に的確に市民にお届けができる。そういう意味では我々の市場での仕事の意味はとても大きいのです。また、そういう場所で働くからこそ、新型コロナウィルスには十分に注意を払い日々の健康管理と共に密閉、密集、密接を避けて手洗いうがいをこまめにすることを励行してください。
新年度がはじまっています。不透明で手探り状態がいつまで続くか予測できませんが、つまらないデマにのせられず誹謗中傷をすることなく心身は健康でいたいと思います。今年度も皆で力を合わせて頑張りましょう。

2020年3月

暖かな冬でしたが春の訪れが感じられます。暖かな冬だったがゆえに思ったより桜の木は芽吹きが遅く感じられます。名古屋では20日前に開花宣言がされると思っておりましたがそこまで早くなかったようです。大根とキャベツに関してはまだまだ安値が続いていますが他の野菜に関しては、落ち着いた価格になっていると思います。生産者の方には一息ついてもらえるのでは?と感じています。
 WHOからパンデミックの宣言がなされました。遅いと私は感じていますが早期にコロナウィルスが終息していくことを祈るしかありません。東京オリンピックを控えている日本。ただでさえ経済が止まっていしまっている現状に重ねてオリンピックも開催されないとなると、4年間近い選手達努力が報われなくなってしまう上に、日本経済の混乱が相当の酷くなると心配になります。旅行に関係する業界、そしてイベント業界が最初に悲鳴をあげデータバンクからの倒産を知らせるメールが3月前半から毎日の様に上がる様になりました。2月後半から2週間で好況感から不況感へ一気に突き落とされたという印象です。リーマンショック時よりも全業種に波及している為この落差に関しては一夜にして状況が変わったという言葉がぴったりだと思います。世界恐慌という恐ろしさを感じずにはいられません。
 そんな中人が困っているのに乗じて、悪徳商売をするのは許せない行為だと思います。マスクの販売などはこれに当たりますね。ドラッグストアーに毎日6時前から行列ができています。確認をしているわけではありませんが、並んでいる人たちが大変に慣れている感じなので多分転売目的で並んでいるのでしょう。私自身は、早い者勝ちで販売する店舗には、少し改善ができるのではと感じてはいるのですが、やはり、自己の利益だけを優先して不当な利益を上げようという考え方に腹が立ちます。ある意味では現代の「米騒動」なんだと。また、トイレットペーパーなどが無くなるというデマを面白がって流すこと、言語同断なのは、故意にコロナ感染を広げようとした人がいるということです。いい大人がこんなことをして子供たちにどうやって後ろ姿を見せて教育できるのでしょうか?これは人として本当に恥ずかしいですね。
世界の皆が困っている時に皆が協力をしようという気持ちがすごく大切だと思うのです。当社の大切にしている考え方の一つに10もらったものを9しか返さなかったら会社そして世の中が貧しくなってゆく。10もらったら11を返すことで会社も世の中もどんどん良い循環になってゆくということを掲げています。まさに、自分本位の行動をしている人というのは10もらっても9しか返そうとしない人なのであると。
お金に色がないのは分かります。でも、どうやって稼いだお金かは本人にとって、相当な違いがあると思います。10もらったものを11返すためには相当な工夫とたゆまない努力が必要です。この工夫と努力がその人の能力を開花させ成長させていくのだと私は考えています。
 あと数日すると新しい年度となります。4月から人事制度も一新し、新しい本社事務所での仕事となります。100年勝ち残り企業を作るためにもしっかりと礎を深く大きくしてゆく一年にしてゆきたいと思います。皆さんどうか力を貸してください

2020年2月

ロナウィルス拡大が大きな問題になっています。中国では多く方が亡くなっており日本でも拡大が問題になっています。実際に、愛知県でも保菌者がいるとのことでお隣の中国の話が今では身近な課題になってしまいました。
名古屋でも雪が降ったというニュースが流れましたが、ほんの一瞬だったようなので残念ながら私は目にすることが出来ませんでした。キュウリなどの果菜類の相場も下がり、全体的にはお値打ち感が満載の青果物ですが、中々消費が伸びていないようです。それに重ねて、コロナウィルスの影響で2月前半の飲食店売上は10%程度下がっているとのこと。影響がこれから長引くことが予測されるので野菜の消費も中々伸びないかもしれません。このままいくと生産者の手取りが減ってしまうので離農が進んでしまうのではないかと心配です。
日本という国は島国でガラパゴスと言われる位,独特の文化を持っているのが日本人の特徴です。ガラパゴスというと今のグローバルな世の中から取り残されているように受け取られることが多いのですが、日本人が持っている感覚はとても素晴らしいものがあるのだと思います。そのいい例が世界中からの観光客が日本のおもてなしに賞賛をします。日本人が日本人らしく生きることはとても大切だと思います。その中で「真善美」という価値を見直すことがとても大切だということを先日、思風先生から教えてもらいました。真とは嘘偽りのない生き方。善とは道徳にそった生き方。美とは所作、そして生み出された物が綺麗であり、感動を呼ぶもの。そんな風に私は考えます。真善美を意識して生きるということは、生活の仕方の質を上げることになるのだと思います。多分これは、柔道・書道の様な「道」につながると思われます。日本人は商売をするのでもただお金が儲かればいいというだけでなく、商道という言葉で表すようにその人の人格を高めることにつながるものでなければならないと考えているのです。大量に作って大量に消費する時代は終焉を迎えつつあります。ただ売上を上げるという量的なものを求めるのではなく、質を上げることを求めてて生きてゆくときに判断基準となるのが真善美ということです。
真善美という基準でこれからもっと当社の理念を高めていくことが必要なのだと感じています。当社は「幸福を届けます」と理念を掲げています。この意味は、ただ単に商品を届けるだけでなくお客さんに満足をしていただき信頼関係を高めるために日々努力をしてゆくということが、社員ひとり一人の成長につながりそれが会社の成長につながるということです。その上に真善美に照らし合わせると、1、市民の台所を預かる第一人者としての自覚をしっかりと持つこと。2、仲間としっかりと協力し合いお客さんに対して誠実に向き合うこと。3、価値ある商品をお届けするためにも物流の機能を高め続けていく。こんな事をしっかりと深めて行動に落とし込んでいくことが必要だと思います。
考え方をより進化させお客さんに最高の満足を与え最大の信頼を得よう!

2020年1月

昨年12月に名古屋は雪が降りませんでした。また、1月になっても氷点下になることがありません。暖冬であり大根などは大きくなりすぎて生食用では出荷できず、規格外がたくさん採れている様です。生産者にとってはとても厳しい年末年始になっており、離農が進まないことを祈るばかりです。先日も知多のキャベツ農家さんと話していても初夏キャベツまで切れ間なく出荷できるのではと言っていましたので加工用以外の生産者はとても苦しい状況なのだろうと想像をします。市場事業部では乱売傾向のために苦しい販売が続いておりますが、何とか乗り越えて欲しいと思います。今月は2名の退社があり新天地での活躍を祈るばかりです。
私は今年のテーマとして「礎の再構築」を掲げました。理由として外部環境はこの数年で5GやAIなどの導入と共にIoTの進化、自動運転など普及により構造的な産業のあり方が大きく変化をしていきます。トヨタ自動車は車の販売からモビリティー企業への軸足の変換をしているように今までの産業構造が変わる可能性が高いということと共に多様性を認めようとする社会となり、今までの常識が全く変わってくる可能性があります。内部環境としては、6月からの市場法改正においては現状の卸売市場はある程度現状を踏襲することになりました。しかし、五年毎に見直すという条文があるため、AIや自動化などという環境を考えると将来的には民営化も含めた市場改革にあると予測します。また近くは、市場法改正において、現状の踏襲とはいえ開設区域が無くなり関東一極集中可能性が大きく、市場間の競争が大変に厳しいものになると予測されます。本場市場においても、卸合併は懸念材料であり卸会社と仲卸会社の関係も大きく変化をしてくると予測します。こうして変化することは間違いの無いことであり今までの常識が常識でなくなるということは、礎を見直す必要があると考えるのです。よって、礎の再構築というテーマを掲げて推進してゆきます。
また、100年勝ち残りを目指している当社にとって10年先を考えた時に2030年に売上100億を目指したいと考えるようになりました。100億を目指す意味は社員の中から新しい事業を創り出す様な風土ができ、社員が社員を成長させるような仕組み作りが必要だと考えます。そこに社員のやりがいや達成感が生まれてくると考えます。こうした理由で構造的なものが大きく変化をしてくることが予測され、今まで積み上げてきた礎を強化しても役に立たない可能性があり再構築なのであります。今までの仕組みを変えていくということは痛みを感じることも多々あると思いますが、皆さんの協力なくして、強い礎を作ることはできません。意識を変えて、行動を変えてゆくことをどうぞよろしくお願いします。再構築の一つの柱として、部門間を横断した、小集団活動に取り組んでいきたいと思います。例えば配送のミスゼロと言っても、お客さんからの受注を入力し、それを仕訳して集めて配送という流れがあります。トヨタは後工程に不良品を流さないということを確立していますが、当社を見ると後工程への不良品は仕方がないで終わってしまっています。このことについて一番困るのはお客さんです。欲しいものが届かないとかもらった商品が傷んでいるとか?仕方がないで終わらせることは絶対に許されることではなく、こうした取り組みを皆で話し合いって解決することが一人ひとりの成長につながっていくのだと思います。

2019年12月

今年もあと数日となりましたが市場はなんとなく落ち着いた雰囲気です。暖かな年末だと感じています。しかし、日中の寒暖差が大きく、その上に猫の目の様に日々の気温変化が激しく体調管理がとても大変です。関東では大変にインフルエンザも流行しています。毎日の職場・家庭でのうがいと手洗いの励行をお願いします。
 12月は、地場の露地野菜が順調に出荷されているようです。地方市場には鮮度良い大根、きゃべつ、白菜が所狭しと並んでいるのでしょう。中央市場にてはその相場についていけず販売に苦労をしています。市場の水曜休みが多くなったことと生産者も減ったこともあり、相場は過去の最安値をつけるようなことはありません。そのような背景もあり数年ぶりに地方市場との競争となっているのだと思います。まぁ年末に安定した価格で商品が流れれば有難いなと思っています。
 新しい年がはじまります。皆さんにとって2019年という年はどんな年だったのでしょうか?私ごとですが、自分自身は若いつもりで居ますが母が入院先でほぼ歩けなくなり、兄と姉が還暦を過ぎて病気と闘うようになり、自分自身も白内障の手術をうけ、今までよりも早く酔っぱらうことに気が付くと自らの老いが現実となることを受け入れる年となりました。だからこそ、ちゃんと体を鍛え、脳を鍛えないとと。どうぞ、皆さんにおかれましては今年の良かったこと、改善すべき点などを振返り新しい年にどんなことをしたいのかをわくわくしながら考えて欲しいと思います。2020年はオリンピックイヤーです。当家も有難いことにチケットが当選しました。すみませんが、夜の試合を観戦に行きますので少し早く上がらせてもらいます。私も残り少ない今年の時間を来年に向けての決意をしっかりと練り込んでいきたいと思います。
 現在、産業革命の真っ只中と言われています。それと共に人と人の原点がどんどん変化しているように感じます。テコンドーの選手と協会の問題をはじめ先生と生徒の関係が上下関係から横並びの関係になってきていると感じます。また、LGTBを受け入れる社会にしようということ、年末には「忘年会スルー」なども話題になり、今までの管理された社会から変化をしているのだと思います。今まで常識であったことが変化をしてきているのです。ハラスメントがそのいい例だと思います。セクハラ、パワハラ、マタハラ等ある意味では上下関係という人間関係が成り立っていた時には当たり前であったことが今は通用しません。それも相当なスピードで変化をし続けているのを感じます。その中で重要であると感じるのは受け入れる力だと思います。その人が持っている考え方を非常識であると切り捨てるのではなく何故そのように考えるのかという対話をすることでお互いの考え方を成長させることが受け入れるということです。間違っても俺の意見に従わせようなどと考えるのは、これからはありえなくなってくるのでしょう。自分と意見が合わないという人は実は敵ではなく自分にないものを持っていることを自覚することです。自分と同様な意見を持った人が集い話をしていても、楽ではあるかもしれませんがそこに、人間的な成長があるのかは疑わしいと思います。常識は非常識が壊しそして常識は常に変化しているということを我々は知っていなければなりません。人間一生勉強で、こんなことを学ぶことが出来るのが思風塾です。1月22日18時よりウィンクあいちへ足を運びませんか?

2019年11月

10月の台風被害が癒えないこの頃です。10月末まで半袖姿で街を闊歩してる方々を見かけましたが11月に入り気が付くと街路樹が色づきお鍋の美味しい気温となっております。最近、秋が短くなったという声があちらこちらで聞かれます。農産物に対して台風の影響はやはり出てきました。関東の産地を中心に白菜キャベツなどが値上がり傾向、高かったキュウリは少し下げましたがトマトは依然高いままです。ホウレン草などが年末に足らなくなるという情報もあり年末年始の入荷量に不安要素があります。
 大澤取締役より朝礼メールで森信三先生の言葉が毎日アップされています。日本の現代教育の祖と言われている方で、学生・教師に向けた沢山の書物を記されています。私も2冊森信三先生の本を買い現在読んでいます。今月は読書ということでここに記してゆきたいと思います。読書とは先人の知恵をいただくということです。学校で習うことは知識です。知識は知っているだけでは何も役に立ちません。学校の成績が良いから社会で通用する大人になるかと言えばそうでないのが知識だけでは成り立たないということの証だと思います。しかし、知識はとても大切であるということは間違いの無いことですが、その知識を使いこなすためにも知恵が必要なのです。この知恵をいただけるのが近くには親であり先生であり先輩であります。もっと深く知りたいと思うと本を読むといいと思います。森先生は知識を蓄え知恵を自らが扱えるようになると先を見通すことが出来るようになると言い、これを生きた判断をすることだと語られています。我々は人生の中で大半を仕事に時間を使います。その中で沢山の判断を瞬時に行っています。その判断が大きな間違いをしないために生きた判断をすることは大切です。知恵=原理原則を身に着けるということなのかもしれません。もう一つ、この長い人生の中で天分を生かす生き方をすべきだということを示してくれています。天分とは、一番は好きなことが職業になればいいと言われていますが、歌が好きで歌手になり一生成功し続けるのは本当に一握りの方であり、好きなことが職業になることはとても難しいと言われます。多くの人が好きなことを職にすることが出来ません。好きなことが職にできなかった時に大切なことはその時に就いた仕事を向き合い取り組むことであり一心不乱に打ち込むことで実はその仕事が天命となるというのです。私自身、先代よりこの仲卸業という道に導かれ働き始めた時に嫌ではないのですが本気になれない自分が居ました。しかし、佐藤さんに負けたくない等の理由から一所懸命に働くと、結果として取引先から認められ注文をいただくことが出来るようになり、また、卸会社からもこの商品を何とかして販売してくれと頼まれるようになりました。一所懸命にやった結果、商売をする楽しさを本当に知った瞬間であります。森先生は若い時に職を転々として、これは天分ではないと考えるよりも真剣にその仕事に向き合ことが大切であると言われています。
 最近、私が読んだ本の中で北尾吉孝氏の「何のために働くのか」を是非読んでいただきたいです。特に20代30代の若い方がこの本に触れ、仕事が生活の糧のためにあるのではないということに早く気が付いて欲しいなと思います。また、以前にも紹介したことがある稲森和夫さんの「生き方」という本も読んでいただきたいです。
是非、この秋の夜長に読書をされることを勧めます。そして、仕事と共に読書によってても人として成長を皆がして欲しいと思い今回読書について記しました。