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2018年8月

今年の夏は本当に暑かった。命に係わるような暑さという体験は初めてであり39度前後が何日も続くということは初めての体験でありました。チベット高気圧と太平洋高気圧が重なり、居座ったということが原因のようです。また、台風が沢山来ており災害が起こらないことを祈るばかりです。これから秋冬野菜の作付けが始まります。相当高温の中での播種でしたので何か問題が起こるような気もします。その上に台風が例年より沢山発生していますので年末に野菜が高くならないことを祈るばかりです。
 8月15日平成最後の終戦記念日を迎えました。現天皇陛下による最後のお言葉は過去の過ちを後世に対して促すものでありました。多くの先輩が自らの命を犠牲にして今の日本を作り上げたことを忘れてはいけないし、一つの命の重たさを改めて認識しなければならないと私自身感じております。
 お盆休みに、義理の姉のお母さんが亡くなりました。葬儀に際し、生死ということで感じることがありましたので、ここに記しておきます。亡くなる4週間前までは自分のことは自分でできていたようです。認知症もなくお互いの意思疎通もしっかりとできていたということですが、この暑さの影響もあったとは思いますが、体調を悪くして病院に入院、その治療中に心筋梗塞を起こしたということです。心筋梗塞を起こしてからしばらくすると会話もできなくなっており、問いかけにうなずくだけという状態だったようです。いよいよ食事が喉を通らなくなり、体を傷つける胃ろうをするかどうかという状態になった時に義姉は、「お母さん、お家に帰ろうか?」と尋ねたと言います。すると、お母さんはうなずき、その時に治療のための点滴などを取ろうとしたということです。自宅に戻り2週間程度何も食べることもなく、点滴もせずに静かに息を引き取りました。喪主は義姉の甥でした。彼は告別式の最後のあいさつで自分の心境を正直に話してくれました。義姉が決断した治療をしないということに疑問を持ち、お婆さんは、本当は生きたいのではないか?と毎晩お婆さんの枕元に行き、「今からでも治療をするために病院に戻ろうか?」と聞いていたそうです。でも、お婆さんはそれに対して返答をしなかったということです。彼はお婆さんの死に向かう姿から生きるということを学んだと言っていました。今の医学は延命治療をすることはそんなに難しくないようです。自分の意志とは異なり、ストロー状態になって生きている状態は本当に生きているといえるのだろうか?それよりも自らが持っている力に任せ自らの命を全うすることが生きるということなのだと。私自身、二人の父をここ数年で亡くしおり、老いてゆく姿を見ていると自分自身の生きる意味がなんなのかを考えずにはいられませんでした。多分彼も同様なことを感じていたのだろうと思います。
 将来を見据えてより良き人生を謳歌するために自らを磨き、周りの人と良き関係で生きることはとても大切な事だと思います。その反面に人間はいつか死を迎えるということを忘れてはならないのでしょう。周りの先輩方々は生きている我々に自らの命をもって生き方を考えろよと教えているような気がします。当社のメンバーは随分若くなりました。若いからこそ良き人生を送ることを考え、将来どうなりたいのかを真剣に考えて欲しい。40代ではこんな気づきは全く感じませんでしたが、光陰矢の如しです。
 
健康に生んでくれた両親に改めて感謝です。